時は過ぎて

あのとき私はあなたの腕をすり抜けた

今更さみしくて

今更懐かしくて

私はあなたを忘れたふりして

忙しさゆえ必死で日々を生きている

けれどあなたを覚えている

あなたを忘れない

 

あなたは今どこにいるの

いつか偶然会ったなら

あなたは私に気づくでしょうか

いつかまた会えたなら

私はあなたを

きっと探せる

 

感傷という不思議な気持ち

どうしたいだなんて思わない

ただ ただ なつかしい

 

これが恋でないのなら

私は昔の私に

・・・恋している

恋をしている?
辛い片思いだとしても
恋をしている?

良かったね
素敵な誰かに出会えたのなら

十年先にいい思い出に変わるとしたら

泣いたって
相手に伝わることのない
思いもあるけど

スーパースターに恋をした
位に遠い恋もあるけど

同じ時代に生まれた奇跡

同じ星に生まれた奇跡

もしもその人が同じ空間にいるのなら
本当に本当にそれは奇跡

あなたへ

もっと前にあなたに出会っていたなら
私はあなたに恋をした

もっと早く出会っていたなら
二人の未来は違っていた

あなたの優しさ
あなたの価値観
あなたの感性

私はあなたに恋をした
私はきっとあなたに恋した

素敵だよ
自分を愛してあげてね

そのままのあなたでいいんだよ

なつかしい

あの頃、私は幼かった

あの頃、無邪気にはしゃいでた

あの頃、年を重ねた自分の姿など

思いもしなかった

大人になれば恋をして

映画のような恋をして

ドラマのような家に住み

絵にかいたような幸せが

手に入るのだと思っていた

夢を見ていた

 

大人になった今

ただ懐かしむ

時を戻せないことに気づいた今

私はただ懐かしむ

 

一瞬一秒大事にしよう

この一瞬をやがて愛しく感じるはず

どんな時も永遠じゃなく

辛いこともいつか終わる

 

負けないで

自分自身を励まして。

 

負けないで

何か足跡を残そうか

 

限りある命だとしても

もう少し何かできるのならば

マッチを擦って明かりを得よう

生まれたことの意味を探そう

 

私はあなたに語る振りをして

私自身に語っている

 

ありきたりな毎日だけど

何かを変えて行けたなら。

 

 

はじめまして

まるで恋する少女のように

私は詩を書く

まるで幼い子供のように

ドキドキした気持ちで

新しい扉を開く

はじめまして

はじめまして・・・。

 

私は私

ひっそりと息づく

目立たぬ野の花

 

だけど誰かが私をみつけて

家の花瓶にいけてくれたなら

私はその誰かのために

静かに見守りほほえみたい

私はここにいる

確かに息づいている

言葉を紡ぎ

ささやきたい

 

あなたが私を見つけてくれますように、

と願いながら。